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SUS 329 J4L
特性
従来のSUS329J1に比べ、耐孔食性は倍以上あり、特に耐隙間腐食性は数段優れています。
また、SUS316が孔食や応力腐食割れ等の局部腐食で使用に耐えない環境で優れた性能が発揮されSUS316に比べ、強度が高く、機械構造用部材としても使用できます。
加工性
熱間強度は1150〜950℃でSUS430並です。900℃以下では急激に強度が上昇するので注意が必要です。
再鍛造する場合は、割れ防止の点から、最高加熱温度は1200℃程度まで、鍛造終了温度は950℃程度にすることが必要です。
熱間加工後は固溶化熱処理が必要です。冷間成形性はSUS304に比較して耐力が高く伸びが低い点に注意して下さい。
熱処理
329J4Lは熱処理による硬化はありません。固溶化熱処理温度は1050℃〜1080℃加熱後急冷が必要です。
冷却はできるだけ早くして脆化(475℃脆性α脆性)温度範囲にさらされる時間を少なくする必要があります。
溶接性
溶接は標準オーステナイトステンレス鋼と同様TIG,MIGおよび被覆アーク溶接が可能です。
化学成分
C Si Mn Ni Cr Mo N -
0.012 0.74 0.70 6.3 25.0 3.30 0.10 その他
用途
広範囲の化学装置用材料として、各種公害防止機器、石油化学、繊維、パルプ、不純温水、海水取扱機器等で、SUS316が使用に耐えられない場所に適しております。
強度が高い点からは、水門のゲート、油井管、地熱発電用などの機械的強度と耐食性の双方が要求される過酷な環境でも使用できます。